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【リード】
発達障碍を抱えたMasaminさん。現在は非正規の介護士として働きながら、発達障碍の啓発に努めている一方で、コスプレイヤーとしても活動している。
【本文】
「介護の仕事は、精神的なところでは大変ではありませんが、体力的にはキツいですね。体を支える機械なども使うんですけど、直接的に抱えて起き上がらせたり、移動させたりということがあるので、筋力がないとできません」
そう語るのは、非正規の介護士Masaminさん。本人は、発達障碍を抱えている。自分が発達障碍では、と自覚するようになったのは小学生の頃だという。
「小学校高学年の頃から発達障碍に関するニュースが増えてきて、その症状が自分にぴったしあうので、分かりました。医者にかかって検査をしたいと親に打ち明けましたが、一蹴されました。検査を受けて(発達障碍と)診断されたのは成人になってからです」
学校になじめず、高校には進学できなかった。それ以来、非正規の仕事を転々としているという。
「中卒だと履歴書を見せるだけで、正規採用からふるい落とされてしまう。日本は学歴社会なんだなと強く感じますね」
そんな彼女は発達障碍の理解促進を求める活動もしている。
「障碍を持つ人もそうではない人たちも、一緒に助け合いながら生活する『まぜこぜ』の社会が重要だと思います。発達障碍について言えば、外見では分からない。私が抱えている病気に起因する欠点は、時間を守れないことです。どんなに努力しても遅刻してしまう。だから、大事な用事の時はパートナーが家に迎えてきています。発達障碍者は片付けが出来なかったり、注意散漫だった
りと色々な欠点を抱えています。しかし、社会がそれも一つの個性として認め、支え合う社会になって欲しい」
さらに話に出たパートナーについては、「男性から女性に性別適合手術したトランスジェンダーで、しかも、ろう唖者です。そのため、LGBTについて勉強し、手話も習得しました」とも語る。
そんなMasamiさんだが、一方でコスプレイヤーとしても活動。スカウトされDVDも発売した。
「元々、小さい頃から変身ごっこが好きだったんです。誕生日に変身セットを買ってもらったりゴミ袋とかで作ったり、コスプレというより仮装が好きだったんです。小学校に上がってからマンガとかアニメ好きの友達が増えるようになって、仮装が好きならコスプレがあるよって教えてもらっったんです。最初に、コスプレしたのが、小学校5、6年くらいです」
小学校高学年の頃から発達障碍を意識するようになり、学校にもなじめなかったMasaminさんだが、コスプレで友達ができたという。
「友達で家族と一緒に、コスプレしてる子がいたので一緒に衣装を作ったり、ミシンを借りて縫ったりもしました。その時にコスプレした友達が中学でも一緒だったので、3年間は”オタク活動”漬けというか、部活まで一緒だったので、マンガ研究部状態でした(笑)」
介護士の仕事をしながら、発達障碍や手話の指導、LGBTの啓発を行ない、さらには、コスプレイヤーと、マルチに活躍するMasaminさんである。
【Masaminプロフィール】
まさみん。1988年2月21日生まれ。介護士。重度障碍者の介護が専門。趣味はコスプレ、懐メロ。コスプレの撮影会でスカウトされ、2018年1月にファーストDVD発売。ろう者やLGBTの友人が多く、手話を勉強・指導中。